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名前
socket - Linux のソケットインターフェース
書式
#include <sys/socket.h> sockfd = socket(int socket_family, int socket_type, int protocol);
説明
このマニュアルページは Linux ネットワークのソケット層に対する ユーザインターフェースを記述するものであ る。 BSD 互換ソケットは、ユーザプロセスとカーネル内部の ネットワークプロトコルスタック群との間に、 統一的 なインターフェースを提供するものである。 プロトコルモジュールは プロトコルファミリー (protocol familiy) (例: AF_INET, AF_IPX, AF_PACKET) と ソケットタイプ (socket types) (例: SOCK_STREAM, SOCK_DGRAM) に分 類できる。 これらに関するより詳しい情報は socket(2) を参照のこと。 ソケット層の関数群 これらの関数はユーザプロセスがパケットを送受信したり、その他のソケット操作を 行ったりするために用いられ る。詳細はそれぞれのマニュアルページを 見てほしい。 socket(2) はソケットを生成する。 connect(2) はソケットをリモートのソケットアドレスに接続する。 bind(2) はソケットをローカルのソケットアドレスにバインドする。 listen(2) はソケットに新しい接続が来たら受信するよ うに伝え、 accept(2) は外部からやってきた接続に対して新しいソケットを得るために用いられる。 socketpair(2) は互いに接続された二つの名前無しソケット (anonymous socket) を返す (AF_UNIX のような、いく つかのローカルなファミリーでしか実装されていない)。 send(2), sendto(2), sendmsg(2) はソケットを通してデータを送信し、 recv(2) recvfrom(2), recvmsg(2) はソ ケットからデータを受信する。 poll(2) と select(2) はデータの到着を待ったり、データ送信の準備ができるまで 待ったりする。 さらに、 write(2), writev(2), sendfile(2), read(2), readv(2) のような標準的な I/O 操作も データの読み書きに用いることができる。 getsockbyname(2) はローカルのソケットアドレスを返し、 getpeername(2) はリモートのソケットアドレスを返 す。 getsockopt(2) と setsockopt(2) はソケット層のオプションやプロトコルオプションの取得・設定に用いられ る。 他のいくつかのオプションの取得・設定には ioctl(2) を使うことができる。 close(2) はソケットをクローズする。 shutdown(2) は全二重なソケット接続を部分的にクローズする。 シーク動作や、 0 以外の位置に対する pread(2) や pwrite(2) はソケットではサポートされていない。 非ブロッキングな I/O をソケットで行うことは可能で、 fcntl(2) を使ってソケットのファイルディスクリプタに O_NONBLOCK フラグをセットすれば良い。 こうするとブロックされる操作は、 (通常) EAGAIN エラーで戻ることに なる (後で処理が再試行されることが期待されている)。 connect(2) では EINPROGRESS エラーが返される。 この 場合、ユーザはさまざまなイベントを poll(2) や select(2) を使って待つことができる。 ┌────────────────────────────────────────────────────────────────────────┐ │ I/O イベント │ ├───────────┬─────────────┬──────────────────────────────────────────────┤ │イベント │ poll フラグ │ 内容 │ ├───────────┼─────────────┼──────────────────────────────────────────────┤ │Read │ POLLIN │ 新しいデータが到着した。 │ ├───────────┼─────────────┼──────────────────────────────────────────────┤ │Read │ POLLIN │ (接続志向のソケットで) 接続の設定が終了し │ │ │ │ た。 │ ├───────────┼─────────────┼──────────────────────────────────────────────┤ │Read │ POLLHUP │ 接続先で切断要求が生成された。 │ ├───────────┼─────────────┼──────────────────────────────────────────────┤ │Read │ POLLHUP │ 接続が壊れた (接続志向のプロトコルのみ)。 こ │ │ │ │ の場合、ソケットに書き込みが行われると │ │ │ │ SIGPIPE も送信される。 │ ├───────────┼─────────────┼──────────────────────────────────────────────┤ │Write │ POLLOUT │ ソケットには新しいデータを書き込むのに十分な │ │ │ │ バッファがある。 │ ├───────────┼─────────────┼──────────────────────────────────────────────┤ │Read/Write │ POLLIN| │ 外部向けの connect(2) が終了した。 │ │ │ POLLOUT │ │ ├───────────┼─────────────┼──────────────────────────────────────────────┤ │Read/Write │ POLLERR │ 非同期的 (asynchronous) なエラーが起こった。 │ ├───────────┼─────────────┼──────────────────────────────────────────────┤ │Read/Write │ POLLHUP │ 接続先が片方向を切断した。 │ ├───────────┼─────────────┼──────────────────────────────────────────────┤ │Exception │ POLLPRI │ 緊急データ (urgent data) が到着した。この場 │ │ │ │ 合は SIGURG が送信される。 │ └───────────┴─────────────┴──────────────────────────────────────────────┘ poll(2) や select(2) を使う代わりに、カーネルからアプリケーションに イベントを通知させるのに SIGIO シグ ナルを使う方法もある。 この方法を使うには、 fcntl(2) を用いてソケットのファイルディスクリプタに O_ASYNC フラグをセットし、 SIGIO に対する有効なシグナルハンドラを sigaction(2) によって設定しておく必要がある。 後述の シグナル に関する議論も参考にすること。 ソケットアドレス構造体 各ソケットドメインにはそれぞれ独自のソケットアドレス形式があり、ドメイン固有のアドレス構造体を持ってい る。 これらの構造体の先頭には、アドレス構造体の種類を示す整数の "family" フィールド (型は sa_family_t) が ある。 このフィールドにより、 すべてのソケットドメインで汎用的に使用されるシステムコール (例えば、 connect(2), bind(2), accept(2), getsockname(2), getpeername(2) など) が、特定のソケットアドレスのドメイン を判定することができる。 任意の種類のソケットアドレスをソケット API のインターフェースに渡せるように、 struct sockaddr 型が定義さ れている。 この型の目的は、 純粋に、 ドメイン固有のソケットアドレスを 「汎用的な」型にキャストできるよう にする点にある。 これにより、 ソケット API 呼び出しにおいて、 コンパイラが型の不一致の警告を出すのを避け ることができる。 これに加えて、ソケット API ではデータ型 struct sockaddr_storage が提供されている。 サポートしているすべて のドメイン固有のソケットアドレス構造体を収容するのに、この型を使うことができる。 この型は十分な大きさがあ り、(メモリ境界への) アラインも適切に行われている (特に、 IPv6 ソケットアドレスを収容するのにも十分な大き さである)。 この構造体には次のフィールドがあり、 このフィールドを使って、 この構造体に実際に格納されてい るソケットアドレスの型を特定することができる。 sa_family_t ss_family; sockaddr_storage 構造体は、 ソケットアドレスを汎用的な方法で扱う必要があるプログラム (例えば、 IPv4 と IPv6 の両方のソケットアドレスを扱う必要があるプログラム) で有用である。 ソケットオプション これらのソケットオプションは、 setsockopt(2) を用いれば設定でき、 getsockopt(2) を用いれば取得できる。 但し、どのソケットの場合も ソケットレベルには SOL_SOCKET を指定すること。 注釈がない限り、 optval は int へのポインタである。 SO_ACCEPTCONN このソケットが listen(2) によって接続待ち受け状態に設定されているかどうかを示す値を返す。 値 0 は listen 状態のソケットでないことを、 値 1 は listen 状態のソケットであることを示す。このソケットオ プションは読み込み専用である。 SO_BINDTODEVICE このソケットを、引き数で渡したインターフェース名で指定される (“eth0” のような) 特定のデバイスにバ インドする。 名前が空文字列だったり、オプションの長さ (optlen) が 0 の場合には、 ソケットのバイン ドが削除される。 渡すオプションは、インターフェース名が 入ったヌル文字で終端された可変長の文字列で ある。 文字列の最大のサイズは IFNAMSIX である。 ソケットがインターフェースにバインドされると、 そ の特定のインターフェースから受信されたパケットだけを処理する。 このオプションはいくつかのソケット タイプ、 特に AF_INET に対してのみ動作する点に注意すること。 パケットソケットではサポートされてい ない (通常の bind(2) を使うこと)。 Linux 3.8 より前のバージョンでは、このソケットオプションは getsockname(2) で設定することはできた が、取得することができなかった。 Linux 3.8 以降では、読み出すことができる。 optlen 引き数には、 デ バイス名を格納するのに十分なバッファサイズを渡すべきであり、 IFNAMSIZ バイトにすることを推奨する。 実際のデバイス名の長さは optlen 引き数に格納されて返される。 SO_BROADCAST ブロードキャストフラグを設定・取得する。有効になっていると、データグラ ムソケットはブロードキャス トアドレスにパケットを送信できるようになる。 ストリーム指向のソケットには何の効果もない。 SO_BSDCOMPAT BSD のバグに対して互換性を取るための機能を有効にする。 この機能は Linux 2.0 と 2.2 の UDP プロトコ ルモジュールで使用されている。 有効になっていると、 UDP ソケットで受信された ICMP エラーは ユーザ プログラムに渡されない。 これ以降のバージョンのカーネルでは、このオプションのサポートは 段階的に廃 止されてきた。 Linux 2.4 ではこのオプションは黙って無視され、 Linux 2.6 ではプログラムがこのオプ ションを使用すると (printk() を使って) カーネルの警告メッセージが出力される。 Linux 2.0 では、こ のオプションを指定すると、 raw ソケットにおいても BSD のバグ (ランダムヘッダ変更、 ブロードキャス トフラグのスキップ) に対する互換機能が有効になっていた。 しかし、こちらは Linux 2.2 で削除された。 SO_DEBUG ソケットのデバッグ機能を有効にする。 CAP_NET_ADMIN 権限を持つプロセスか、実効ユーザ ID が 0 のプロ セスでしか 利用できない。 SO_DOMAIN (Linux 2.6.32 以降) ソケットドメインを整数で取得する。 AF_INET6 のような値が返される。 詳細は socket(2) を参照。このソ ケットオプションは読み込み専用である。 SO_ERROR 保留になっていたソケットエラーを取得してクリアする。 このソケットオプションは読み込み専用であ る。整数値をとる。 SO_DONTROUTE ゲートウェイを経由せず、直接接続されているホストにのみ送信する。 send(2) 操作で MSG_DONTROUTE フ ラグをセットした場合も同じ効果が得られる。 ブール整数のフラグを取る。 SO_KEEPALIVE 接続志向のソケットに対する keep-alive メッセージの送信を有効にする。 ブール値の整数フラグをとる。 SO_LINGER SO_LINGER オプションを取得・設定する。引き数には linger 構造体を取る。 struct linger { int l_onoff; /* linger active */ int l_linger; /* how many seconds to linger for */ }; 有効になっていると、 close(2) や shutdown(2) は、そのソケットにキューイングされたメッセージがすべ て送信完了するか、 linger (居残り) タイムアウトになるまで返らない。無効になっていると、 これらの コールはただちに戻り、クローズ動作はバックグラウンドで行われる。 ソケットのクローズを exit(2) の一 部として行った場合には、残っているソケットの クローズ動作は必ずバックグラウンドに送られる。 SO_MARK (Linux 2.6.25 以降) このソケットから送信される各パケットにマークをセットする (netfilter の MARK ターゲットと似ている が、ソケット単位である点が異なる)。 マークの変更は、 netfilter なしでのマークに基づいてのルーティ ングや、 パケットフィルタリングに使うことができる。 このオプションを変更するには CAP_NET_ADMIN ケーパビリティが必要である。 SO_OOBINLINE このオプションを有効にすると、帯域外データ (out-of-band data) は 受信データストリーム中に置かれ る。有効にしなければ、 帯域外データは受信時に MSG_OOB フラグがセットされている場合に限って渡され る。 SO_PASSCRED SCM_CREDENTIALS 制御メッセージの受信を有効/無効にする。詳細は unix(7) を参照のこと。 SO_PEEK_OFF (Linux 3.4 以降) MSG_PEEK フラグと一緒に使用された場合 recv(2) システムコールの "peek offset" にこのオプションの値 が設定される。現在のところ、このオプションは unix(7) ソケットでのみサポートされている。 このオプションが負の値に設定された場合、従来の動作となる。 つまり MSG_PEEK フラグが指定された recv(2) は、キューの先頭のデータに対して peek 処理を行う (データを読み出すが、キューからデータの削 除を行わない)。 新規のソケットではこのオプションの値は必ず -1 に設定される。 このオプションに 0 以上の値が設定されると、 そのソケットのキュー上のオプション値で指定されたバイト オフセットにあるデータが次の peek 処理で返される。 同時に、 "peek offset" がキューから peek 処理さ れたバイト数だけ加算される。したがって、次の peek 処理ではキューのその次にあるデータが返される。 recv(2) (や同様のシステムコール) の MSG_PEEK フラグなしの呼び出しでキューの先頭のデータが削除され た場合、 "peek offset" は削除されたバイト数だけ減算される。 言い換えると、 MSG_PEEK フラグなしで データを受信すると、 "peek offset" が指すキュー内の相対的な位置が狂わないように調整され、この後の peek では、 データ削除が行われなかった場合に返されたのと同じ値が返されるということである。 データグラムソケットでは、 "peek offset" がパケットの途中を指している場合には、 返されるデータには MSG_TRUNC フラグが付与される。 以下の例は SO_PEEK_OFF の利用例を示している。ストリームソケットのキューに以下の入力データが入って いるものとする。 aabbccddeeff 以下の順序で recv(2) の呼び出しを行うと、コメントに書かれた結果となる。 int ov = 4; // Set peek offset to 4 setsockopt(fd, SOL_SOCKET, SO_PEEK_OFF, &ov, sizeof(ov)); recv(fd, buf, 2, MSG_PEEK); // Peeks "cc"; offset set to 6 recv(fd, buf, 2, MSG_PEEK); // Peeks "dd"; offset set to 8 recv(fd, buf, 2, 0); // Reads "aa"; offset set to 6 recv(fd, buf, 2, MSG_PEEK); // Peeks "ee"; offset set to 8 SO_PEERCRED このソケットに接続してきた外部プロセスの信任状 (credential) を返す。このソケットオプションが利用で きるのは、接続された AF_UNIX ストリームソケット間、および socketpair(2) を使って作成された AF_UNIX のストリームソケットとデータグラムソケットのペアだけである。 unix(7) を参照のこと。 connect(2) や socketpair(2) が呼ばれた時に有効であった信任状が返される。引き数は ucred 構造体である。このソケッ トオプションは読み込み専用である。 SO_PRIORITY プロトコルで定義された優先度を、このソケットから 送信される全てのパケットにセットする。 Linux は ネットワークキュー内部の 整列にこの値を用いる。高い優先度を持っているパケットは先に処理される。 た だしそのデバイスのキュー処理のやり方に依存する。 ip(7) では、外向けパケットの IP type-of-service (TOS) フィールドにもこの値が設定される。 0 から 6 以外の優先度をセットするには CAP_NET_ADMIN ケー パビリティが必要である。 SO_PROTOCOL (Linux 2.6.32 以降) ソケットのプロトコルを整数で取得する。 IPPROTO_SCTP のような値が返される。 詳細は socket(2) を参 照。このソケットオプションは読み込み専用である。 SO_RCVBUF ソケットの受信バッファの最大サイズを設定・取得する (バイト単位)。 setsockopt(2) を使って値が設定 されたときに (管理オーバヘッド用の領域を確保するために) カーネルはこの値を 2倍し、 getsockopt(2) はこの 2倍された値を返す。 デフォルトの値は /proc/sys/net/core/rmem_default ファイルで設定され、許 容される最大の値は /proc/sys/net/core/rmem_max ファイルで設定される。 このオプションの最小値は (2倍した値で) 256 である。 SO_RCVBUFFORCE (Linux 2.6.14 以降) このソケットオプションを使うと、特権プロセス (CAP_NET_ADMIN を持つプロセス) は SO_RCVBUF と同じこ とを実行できる。 ただし、上限 rmem_max を上書きすることができる。 SO_RCVLOWAT と SO_SNDLOWAT バッファ中に溜めることのできるデータの最小値を指定する。 このサイズを越えると、ソケット層はその データをプロトコルに渡し (SO_SNDLOWAT)、 受信時にはユーザに渡す (SO_RCVLOWAT)。 これら二つの値は 1 に初期化される。 SO_SNDLOWAT は Linux では変更できない (setsockopt(2) は ENOPROTOOPT エラーで失敗 する)。 SO_RCVLOWAT は Linux 2.4 以降でのみ変更可能である。 現状、Linux ではシステムコール select(2) と poll(2) は SO_RCVLOWAT の設定を考慮に入れずに動作し、 データが1バイト利用可能になっ ただけでも、 ソケットは読み出し可能とのマークをつける。 一方、それに続けて行うソケットからの read は SO_RCVLOWAT バイトのデータが利用可能になるまで停止してしまう。 SO_RCVTIMEO と SO_SNDTIMEO 送信・受信のタイムアウトを指定する。これを越えるとエラーを報告する。 引き数は struct timeval であ る。 入出力関数がタイムアウト時間の間ブロックされ、かつデータの送信または 受信が行われていた場合 は、転送されたデータ量が関数の返り値となる。 何もデータが転送されずにタイムアウトに達した場合は、 -1 を返し、 errno に EAGAIN か EWOULDBLOCK か EINPROGRESS (connect(2) の場合) が設定され、 あたか もソケットに非ブロッキングが指定されたように見える。 タイムアウト値に (デフォルト値である) 0 に設 定すると、 操作は決してタイムアウトしなくなる。 タイムアウトが影響を及ぼすのは、 ソケット I/O を実 行するシステムコールだけ (例えば read(2), recvmsg(2), send(2), sendmsg(2)) である。 select(2), poll(2), epoll_wait(2) などにはタイムアウトは影響を及ぼさない。 SO_REUSEADDR bind(2) コールに与えられたアドレスが正しいかを判断するルールで、 ローカルアドレスの再利用を可能に する。 つまり AF_INET ソケットなら、そのアドレスにバインドされたアクティブな listen 状態のソケット が存在しない限り、バインドが行える。 listen 状態のソケットがアドレス INADDR_ANY で特定のポートにバ インドされている場合には、 このポートに対しては、どんなローカルアドレスでもバインドできない。 引き 数はブール整数のフラグである。 SO_SNDBUF ソケットの送信バッファの最大サイズを設定・取得する (バイト単位)。 setsockopt(2) を使って値が設定 されたときに (管理オーバヘッド用の領域を確保するために) カーネルはこの値を 2倍し、 getsockopt(2) はこの 2倍された値を返す。 デフォルトの値は /proc/sys/net/core/wmem_default ファイルで設定され、許 容される最大の値は /proc/sys/net/core/wmem_max ファイルで設定される。 このオプションの最小値は (2倍した値で) 2048 である。 SO_SNDBUFFORCE (Linux 2.6.14 以降) このソケットオプションを使うと、特権プロセス (CAP_NET_ADMIN を持つプロセス) は SO_SNDBUF と同じこ とを実行できる。 ただし、上限 wmem_max を上書きすることができる。 SO_TIMESTAMP SO_TIMESTAMP 制御メッセージの受信を有効/無効にする。 タイムスタンプ制御メッセージはレベル SOL_SOCKET で送信され、 cmsg_data フィールドはこのシステムコールでユーザに渡した 最後のパケットの 受信時刻を示す struct timeval である。 制御メッセージの詳細については cmsg(3) を参照。 SO_TYPE ソケットのタイプを整数で取得する (例: SOCK_STREAM)。 このソケットオプションは読み出し専用である。 シグナル (ローカルもしくはリモート側で) 切断された 接続指向 (connection-oriented) のソケットに対して 書き込みを行 うと、その書き込みを行ったプロセスに SIGPIPE が送られ、 EPIPE が返される。 write 呼び出しに MSG_NOSIGNAL フラグを指定していた場合はシグナルは送られない。 FIOSETOWN fcntl(2) や SIOCSPGRP ioctl(2) をプロセスまたはプロセスグループに指定しておくと、 I/O イベント が起きたときに SIGIO が送られる。 poll(2) や select(2) をシグナルハンドラ内で用いれば、どのソケットでイ ベントが起こったかを 知ることができる。 (Linux 2.2 における) 別の方法としては、 F_SETSIG fcntl(2) を用い てリアルタイムシグナルを設定するやり方もある。 リアルタイムシグナルのハンドラは、 siginfo_t の si_fd フィールドにファイルディスクリプタが入った状態で呼び出される。 詳細は fcntl(2) を参照のこと。 状況によっては (例えば複数のプロセスが一つのソケットにアクセスしているなど)、 SIGIO の原因となった状態 は、プロセスがそのシグナルへの対応を行ったときには 消えてしまっているかもしれない。 この場合は、プロセス は再び待つようにすべきである。 Linux は同じシグナルを後で再送するからである。 /proc インタフェース core のソケットのネットワーキングパラメータには、 /proc/sys/net/core/ ディレクトリ内のファイルを通してア クセスできる。 rmem_default ソケットの受信バッファサイズのデフォルト値 (バイト単位)。 rmem_max SO_RCVBUF ソケットオプションを用いてユーザが設定できる ソケットの受信バッファサイズの最大値 (バイ ト単位)。 wmem_default ソケットの送信バッファサイズのデフォルト値 (バイト単位)。 wmem_max SO_SNDBUF ソケットオプションを用いてユーザが設定できる ソケットの送信バッファサイズの最大値 (バイ ト単位)。 message_cost と message_burst トークン・バケット・フィルターを設定する。 これは外部のネットワークイベントによって引き起こされた 負荷限界の警告メッセージに用いられる。 netdev_max_backlog グローバルな入力キューにおける最大のパケット数。 optmem_max ソケットあたりの、補助データ (ancillary data) とユーザ制御データ (iovecs のようなもの) との和の最 大長。 ioctl 以下に示す操作には ioctl(2) を用いてアクセスできる。 error = ioctl(ip_socket, ioctl_type, &value_result); SIOCGSTAMP 最後にユーザに渡されたパケットの受信タイムスタンプを struct timeval に入れて返す。 これは round trip 時間を正確に測りたいときに便利である。 struct timeval の説明は setitimer(2) を見てほしい。 この ioctl は、ソケットオプション SO_TIMESTAMP がソケットにセットされていない場合にのみ使用すべき である。 さもなければ、この ioctl は SO_TIMESTAMP がセットされていなかった間に受信した最後のパケッ トの時刻を返すか、 そのようなパケットを受信していない場合には失敗する (つまり、 ioctl(2) は -1 を 返し、 errno に ENOENT をセットする)。 SIOCSPGRP 非同期 I/O 操作の終了時や緊急データの受信時に SIGIO や SIGURG シグナル群を送るプロセスやプロセスグ ループを設定する。 引き数は pid_t へのポインタである。 引き数が正だと、そのプロセスにシグナルが送 られる。負だと、 引き数の絶対値を ID に持つプロセスグループにシグナルが送られる。 シグナル受信先に は、自分自身のプロセス / 自分の所属するプロセスグループ しか指定できない。但し、 CAP_KILL ケーパビ リティを持っている場合、及び実効ユーザ ID が 0 のプロセスの場合は この限りではない。 FIOASYNC O_ASYNC フラグを変更し、ソケットの非同期 (asynchronous) I/O モードを 有効/無効にする。非同期 I/O モードでは、 新しい I/O イベントが起きたときに、 SIGIO シグナルや F_SETSIG で設定されたシグナル・ セットが発行される。 引き数はブール整数のフラグである。 (この操作は fcntl(2) を使って O_ASYNC フラグをセットするのと同 じ意味である。) SIOCGPGRP SIGIO や SIGURG を受信したカレントプロセス・プロセスグループを取得する。 ない場合は 0 が返る。 有効な fcntl(2) 操作: FIOGETOWN SIOCGPGRP ioctl(2) と同じ。 FIOSETOWN SIOCSPGRP ioctl(2) と同じ。
バージョン
SO_BINDTODEVICE は Linux 2.0.30 で導入された。 SO_PASSCRED は Linux 2.2 で登場した。 /proc インタフェース は Linux 2.2 で導入された。 SO_RCVTIMEO と SO_SNDTIMEO は Linux 2.3.41 以降でサポートされている。 それ以 前は、タイムアウトはプロトコル固有の固定の設定値で、 読み書きをすることはできなかった。
注意
Linux は、送受信バッファの半分を内部のカーネル構造体で用いると仮定している。 したがって、対応する /proc ファイルはネットワーク回線上での大きさの 2 倍になる。 Linux では、 SO_REUSEADDR オプションでポートの再利用が許可されるのは、 そのポートに対して bind(2) を前に 実行したプログラムとそのポートを再利用 しようとするプログラムの両方で SO_REUSEADDR がセットされた場合のみ である。 この動作は (FreeBSD などの) いくつかの実装とは異なる。これらでは、 後でポートを再利用しようとす るプログラムで SO_REUSEADDR オプションをセットするだけでよい。 たいていはこの違いは見えない。なぜなら、例 えばサーバプログラムは 常にこのオプションをセットするように設計されるからである。
バグ
CONFIG_FILTER ソケットオプションである SO_ATTACH_FILTER と SO_DETACH_FILTER について記載されていない。こ れらは libpcap ライブラリを通して 用いる方が良い。
関連項目
getsockopt(2), connect(2), setsockopt(2), socket(2), capabilities(7), ddp(7), ip(7), packet(7), tcp(7), udp(7), unix(7)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.54 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告 に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。